はじめまして、こんにちは。向島和光（よりみつ）です。

この度は数ある中から当園をお選びいただき、誠にありがとうございます。

私がお茶の栽培を始めてから、早２１年が過ぎ去りました。その間、お茶の 自園・自製・販売という形で今日まで続けてまいりました。特に広告を出すわ けでもなく、お客様の口コミだけに支えられ、時にはこだわりのお客様からご 意見を頂き、それによって私も成長してまいりました。皆様には大変感謝い たしております。この場を借りて、お礼申し上げます。

そして今回、インターネットで当園のお茶を皆様にご紹介できる運びとなりました。
技術の進歩とはすごいものですね・・・。

同じように、お茶の栽培技術も目覚しい進歩を遂げました。

今では様々な方が有機栽培に取り組み、それぞれの農法を確立されています。私が有機栽培に取り組み始めた頃に比べますと、格段の違いです。 当時を振り返ってみますと、お茶の無農薬・無化学肥料栽培というのは不可能 と言われた時代でした。しかも、農業とは1年という長いスパンで行うものです。 年に1回の結果が直接自分の生活に影響するのです。その年の失敗は、その年 の収入がない事を意味します。そんな状況の中、両親の反対を押し切って有機 栽培に取り組み始めました。参考になる資料もなく、本当にゼロからのスタート でした。それからは失敗と試行錯誤の連続です。やっと以前の収穫量に戻った のは６年目でした。その時の喜びは忘れられませんね・・・。

そんな中、ずっと変わらず栽培当初から守り続けてきたものがあります。それは、 お茶の側に立って物事を見る事。お茶を自分と同じ生命体としてとらえるという 事です。どういう状態なのか、何を欲しているのか、自分と置き換える事によって その信号が見えてきます。本当に赤ちゃんと同じですよ。 今振り返ってみても、無農薬・無化学肥料の有機栽培を始めるにあたって、一番 大切な事だったと確信しております。そしてそれは、技術や経験を培ってきた 今なお、最も大切にしている想いです。この想いこそが、何の技術もなかった自 分が、今日まで続けて来られた一番の支えになっています。

最後になりますが、前述のとおり、お茶の栽培を始めてから２１年が経ちました。 この２１年という歳月は、お茶の栽培から見ますとたった２１回の経験にしか過ぎ ません。言い換えますと、２１回しかお茶の栽培をしていないのです。 自然というものは奥深く、今でも新しい事の連続です。常に多くの事を教えてくれ ます。私はそんな自然界に、変わらぬ想いを胸に、今後も応えていきたいと思う のです。
私のお茶の世界への探求はまだまだ続きます。そして、 私の目指す究極のお茶 は、単なる美味しいだけではなく、深い生命の味わいが感じられるものにしたいと 思っております。

皆さんにご賞味いただけたら幸いです。